【MB2025-222】感情的な自分から卒業する本(和田秀樹)

 和田秀樹の著書を久々に読んだ。『感情的な自分から卒業する本』。日常でつい感情に振り回されてしまう人に向け、心理学と精神医学の知識を平易にまとめた実践的な一冊である。感情は抑え込むのではなく「扱い方を学ぶもの」という視点で、思考のクセを見直すワークや、落ち込み・イライラの対処法も具体的で取り入れやすいものとなっている。自己否定に陥りがちな場面への励ましも多く、読み進めるうちに気持ちが軽くなる。感情との距離感を整えることで、穏やかに背中を押してくれる。イライラを消して気分よく生きよう。

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【MB2025-221】外務官僚たちの大東亜共栄圏(熊本文雄)

 『外務官僚たちの大東亜共栄圏』。戦前・戦中の日本外交を担った外務官僚たちが「大東亜共栄圏」構想をどのように理解し、形成していったのかを実証的に描く研究書である。外交文書や官僚個人の記録を丁寧に読み解き、軍部主導と見られがちな帝国政策の内側で、官僚たちが抱いた理想・現実・葛藤を立体的に明らかにする点が特徴で、戦時外交の実態を再考させる内容だ。日露戦後40年間の日本外交として、小村寿太郎幣原喜重郎有田八郎松岡洋右といった歴代外相のスタンスを知る上でも参考になる一冊であった。

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【MB2025-220】人は、なぜ他人を許せないのか(中野信子)

 中野信子の『人は、なぜ他人を許せないのか』。許せない感情の背景にある脳科学的メカニズムと社会心理をわかりやすく解説する一冊。人が怒りや憎しみを抱くのは、脳の報酬系が「正義の執行」に快感を覚える仕組みや、集団内で秩序を保つための進化的機能が影響していると提示する。また、妬みや比較によって生まれる対人ストレス、SNSが増幅する敵意、許す・許さないの判断が自己価値感と強く結びつく点などが整理され、感情の扱い方にも踏み込んでいる。老けない脳をつくるトレーニングはすぐにでも実践したい。

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【MB2025-219】AIに看取られる日(奥真也)

 『AIに看取られる日』。テクノロジーが人生の最終局面にまで関わるようになる未来を多角的に考えさせられる一冊。医療現場でのAI活用が進む中、「看取り」という正に人間的な営みに機械がどこまで寄り添えるのか、倫理的・心理的な視点から丁寧に論じられている。AIの精密さや負担軽減の利点だけでなく、人間が感じる孤独や不安にどう向き合うべきかという課題も提示され、技術の導入が目的化してはならないという示唆が心に残った。AIに限らず、2035年の技術など最新鋭の医療技術を学べて勉強になった。

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【MB2025-218】冒険者たちの心理(菊地敏之)

 『冒険者たちの心理』。山野井泰史、片岡佳哉、大西良治ら偉大な冒険家を中心に、冒険に向かう人々の内面に潜む動機や不安、決断のメカニズムを、多様な事例から丁寧に掘り下げた一冊。挑戦へ踏み出す瞬間に働く心理や、仲間との関係性が行動に与える影響が具体的に示され、読者自身の経験とも自然に重ね合わせられる。また、冒険を特別なものとしてではなく、日常にも通じる「自分の限界を一歩越える行為」として捉える視点が印象的である。「成功率3割くらいが面白い」とは山野井泰史の言葉。さすが冒険家である。

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【MB2025-217】8週間語学の旅(山本冴里)

 まったく馴染みのない外国語を8週間でマスターするという驚異的かつ魅力的な大学での講義。それを詳細にまとめた『8週間語学の旅』。旅する内容かと思いきや学習についてで、まず日常に目標言語を取り入れる「環境づくり」から始まり、文字や音をパズル感覚で読み解く13のトレーニングなどを通して、「文法一辺倒ではない」言語へのアプローチを実践的に教えてくれる。全般的に語学学習の楽しさと工夫を提示する。自分は英語やドイツ語でさえままならない状況で、言語と向き合って習得する学びはあっぱれである。

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【MB2025-216】「書くこと」の哲学(佐々木敦)

 読んだ本の感想を書き留めることにしているが、なかなか文章が上達しない。参考にするべく読んだ佐々木敦の『「書くこと」の哲学』。書くことを意識して常に何かに書き留めること(メモ)の重要性などは参考になったが、特に、
「ことばの使い方を学ぶこと、書くことを学ぶこと、言語表現を学ぶことの目的は、自分が自分だからこそ書けることば、ある意味では自分にしか書けない文章を書けるようになることである」
ということに感銘を受けた。AIが作文をしてくれる世の中で、オリジナリティを出すことが肝要である。

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