2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【MB2024-090】WEIRD「現代人」の奇妙な心理 下 (ジョセフ・ヘンリック)

WEIRD(ウィアード)。上巻を読んだところで定義したが、下巻でもWEIRDな人々の傾向を的確に分析している。なぜWEIRDな人々は産業革命をなし得たのか。産業革命期にイノベーションが加速していった最大の要因は、ヨーロッパの集団脳の規模が増すとともに、相…

【MB2024-089】中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由(喜瀬雅則)

欲しい新書を求め、間違いなく売っているだろうと訪れた山形市内の老舗書店・八文字屋。しかし、同書店では目的の新書は見つからず。代わりに偶然目に入った『中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由』。竜党として即購入した。地元の選手が愛される…

【MB2024-088】変容するインドネシア(小川忠)

人口は世界第4位の大国・インドネシア。にもかかわらず、個人的にインドネシアのことはよくわかっていない。これを機に勉強しようと読んだ『変容するインドネシア』。西部ジャワ、中部ジャワ、東部ジャワ、バリ、アチェ、中部スラウェシ、ポソ、パプア諸州、…

【MB2024-087】世界を変える100の技術(日経BP)

IT、医療・健康、エネルギーなど2022年から30年にかけて有望な技術100件をわかりやすく解説した『世界を変える100の技術』。「AI」技術が最初に紹介されるのは自明なことであるが、次に「建築・土木」の新技術が紹介されていることは、この業界に属す…

【MB2024-086】静かな働き方(シモーヌ・ストルゾフ)

このGWはいろいろな本を読もう。そこで最初に読んだのが『静かな働き方』。数ある候補からこの本を手にしたというのは、心のどこかに静かな働き方を求めているのか。そんなモヤモヤを抱えながら、山形新幹線「つばさ」の車中で読破した。静かな働き方を実…

【MB2024-085】Qアノンの正体(ウィル・ソマー)

にわかに盛り上がりつつあるアメリカ大統領選挙。前回の幕引きではトランプ支援者による議会襲撃があったが、トランプ陣営の裏にはQアノンが関係しているのであろうか。そんな背景がわかる『Qアノンの正体』。Qアノンと呼ばれる陰謀論が宗教的狂信の強く貧…

【MB2024-084】勝間式超ロジカル選択術(勝間和代)

今回も勝間和代さんの著書。『勝間式超ロジカル選択術』を読んだ。人生最大の無駄は「後悔」。この本は勝間式のロジカルな解説によって後悔しない自分になれる思考を得て、それに沿った選択ができるようになる一冊。より良い決定をするには、4つ以上の選択肢…

【MB2024-083】「こころ」がわかる哲学(岡本裕一朗)

こころのマジカル・ミステリ・ツアーへようこそ!「こころ」と「哲学」という難解な切り口で展開する『「こころ」がわかる哲学』。哲学者・岡本裕一朗氏が「こころ」の不思議、不思議な「こころ」、人間のモヤモヤなどを偉大な哲人たちを引き合いに出し考え…

【MB2024-082】マッカーサー(リチャード・B・フランク)

ダグラス・マッカーサー。過去に教科書で見た厚木基地に降り立つ姿や昭和天皇と並んで撮られた写真は記憶に鮮明である。マッカーサーは偉大な英雄なのか、傲慢なナルシストなのかか。相反するイメージがつきまとう彼に対する端正な評伝がこの『マッカーサー…

【MB2024-081】世界から青空がなくなる日(エリザベス・コルバート)

人間が自然を人工的にコントロールするテクノロジーに着目し、その影響について考える『世界から青空がなくなる日』。人類は今までも自然をコントロールしようと地球環境に介入し、その結果、環境が破壊され、気候変動や生物多様性の危機を招いてきた。人間…

【MB2024-080】恐るべき緑(ベンハミン・ラバトゥッツ)

『恐るべき緑』。自然破壊の話かと思いきや、数名の科学者の苦悩を記した一冊。アインシュタイン博士は有名であるが、(自分だけかもしれないが)意外と知らない科学者が数多く登場する。「プルシアン・ブルー」では第一次世界大戦の塹壕戦で用いられた毒ガ…

【MB2024-079】やせる!(勝間和代)

いつも刺激を受ける勝間和代さんの著書。10年以上前の著書であり、以前も読んだことがあった気がする「やせる!」を改めて読んだ。さまざまな参考になることが書いてあったが、中でも「やせる」ための3本柱、・食生活の改善 微量栄養素主義の勧め・適度な運…

【MB2024-078】夜明けを待つ(佐々涼子)

悪性の脳腫瘍で闘病中である著者の佐々涼子さん。『夜明けを待つ』は前半はエッセイ、後半はルポルタージュで構成された一冊。前半のエッセイも軽快に読めたが、後半のルポルタージュでは、社会が抱える不条理さの犠牲となっている人たちに寄り添って取材を…

【MB2024-077】WEIRD「現代人」の奇妙な心理 上 (ジョセフ・ヘンリック)

WEIRD(ウィアード)。聞き慣れない略語である。西洋の(Western)、教育水準の高い(Educated)、工業化された(Industrialized)、裕福な(Rich)、民主主義の(Democratic)社会で生まれ育った、の頭文字を取った言葉である。上下巻にわたる大作であり、…

【MB2024-076】4 Focus 脳が冴えわたる4つの集中(青砥瑞人)

先般読んだ「超ミニマル主義」の中で参考文献に挙げられていた青砥瑞人氏の『4Focus』。集中力には、「入門集中」(新しい情報を自分の情報として変換していく上で重要)「記銘集中」(記憶の定着に重要)「俯瞰集中」(情報処理の効率化に重要)「自在集中…

【MB2024-075】読書を仕事につなげる技術(山口周)

読書はしているものの、果たして身になっているのか。そんな時に、ふと図書館の予約陳列棚で目にした『読書を仕事につなげる技術』。読書からどのように学ぶべきか多くの示唆を与えてくれる内容であったが、一例を挙げると、 「せっかくだから全部読もう」は…

【MB2024-074】老化は治療できるか(河合香織)

河合香織さんの『老化は治療できるか』。今回の学びは以下に尽きる。 老化のビジュアル診断の開発までにはまだ時間がかかるが、今の我々にもできることがあると。「仮説では、血圧、糖尿、脂質といった生活習慣病の危険因子によって、ゲノムに傷が入り、細胞…

【MB2024-073】自動運転レベル4(樋笠尭士)

レベル4まで到達しつつある車の自動運転。交通図書賞の受賞作である『自動運転レベル4』を読み、自動運転について国際動向、技術、法律、倫理、社会的重要性など多岐の視点から学んだ。やはり倫理面が大きな課題であろうか。トロッコ問題のような状況に遭…

【MB2024-072】目的への抵抗(國分功一郎)

同じ年に産まれた國分功一郎氏の『目的への抵抗』。哲学に関する本は難しいものが多いが、多少はわかりやすかった印象である(脱線するが、國分でも、モンテディオの我が推しは「こくぶ」、このタメの哲学者は「こくぶん」と読む)。初めて名前を聞いた現代…

【MB2024-071】一億三千万人のための「歎異抄」(高橋源一郎)

藤井さん。将棋界の藤井聡太さんではない。法然と親鸞の罪人名は藤井善信と藤井元彦。なぜ藤井姓なのかは謎である。そんな元彦さん(親鸞)の教えを唯円が書き残した「歎異抄」をわかりやすく解説した高橋源一郎さんの『一億三千万人のための「歎異抄」』。…

【MB2024-070】M-1はじめました。(谷良一)

今では国民的認知度が高いM-1。低迷していた漫才を盛り上げるために立ち上がった元吉本プロデューサーの谷良一氏が記した初回を立ち上げるまでの回顧録である『M-1はじめました。』。今となっては懐かしい島田紳助。その彼の理解や協力なくして成し得なかっ…

【MB2024-069】達観するヒント(名取芳彦)

『達観するヒント』。図書館の新着コーナーに陳列されていたものを借りて読んだ。もっと「気楽にかまえる」92のコツが書かれており、どれも参考になるものであった。そのうち7つほどメモしたが、その中の1つを抜粋して紹介すると、【相手が変わらないな…

【MB2024-068】イクジット(相場英雄)

日経ビジネスで連載された際には途中まで読んだ『イクジット』。仙台の地方銀行に勤務していた同級生が追い詰められ自死したことを受け、その裏に潜む社会課題の取材を開始した雑誌記者の主人公。ネタバレで詳細は控えるが、アベノミクスを推し進める中で、…

【MB2024-067】商店街の復権(広井良典)

シャッター商店街。特に地方都市を訪れるとよく目にする光景である。そうした商店街や中心市街地の持つ新たな意味や価値に注目して、これからの時代における商店街や中心市街地の在り方や再生に向けたステップを提案しているのが『商店街の復権』である。自…