2025-12-06 【MB2025-221】外務官僚たちの大東亜共栄圏(熊本文雄) 『外務官僚たちの大東亜共栄圏』。戦前・戦中の日本外交を担った外務官僚たちが「大東亜共栄圏」構想をどのように理解し、形成していったのかを実証的に描く研究書である。外交文書や官僚個人の記録を丁寧に読み解き、軍部主導と見られがちな帝国政策の内側で、官僚たちが抱いた理想・現実・葛藤を立体的に明らかにする点が特徴で、戦時外交の実態を再考させる内容だ。日露戦後40年間の日本外交として、小村寿太郎、幣原喜重郎、有田八郎、松岡洋右といった歴代外相のスタンスを知る上でも参考になる一冊であった。