2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【MB2024-145】経済学の思考軸(小塩隆士)

一言で経済学と言っても解釈が難しい。この『経済学の思考軸』では経済学をどう解釈するのか。経済学には「効率性」と「公平性」という相反する評価軸があると著者は言い、「経済学の果たすべきことはむしろ、効率性と公平性とのトレードオフの姿を、できる…

【MB2024-144】利他・ケア・傷の倫理学 「私」を生き直すための哲学(近内悠太)

読むのに難儀した一冊。それが『利他・ケア・傷の倫理学 「私」を生き直すための哲学』。とにかく「利他」が大事ということを痛感させられる。「自分の大切にしているものよりも、その他者の大切にしているものの方を優先すること」を利他の定義としている。…

【MB2024-143】台湾有事と日本の危機(峯村健司)

毎朝聴いているニッポン放送の番組で時々コメンテーターとして登場する峯村健司。習近平の新型統一戦争について記した『台湾有事と日本の危機』。習近平は台湾統一の実務に長年携わってきた共産党随一の台湾専門家。3選を可能にしたが故に、「国家統一しな…

【MB2024-142】ヒカリノオト(河邉徹)

普段は新聞や雑誌の書評を眺め、気になる書物を図書館で予約して読む、というのが定石だが、この本は違った。以前紹介した『長い読書』を返却した際に新着コーナーで見かけ、パラパラと中をめくってみたら、「面白そう」と感じて読むことになった一冊。それ…

【MB2024-141】50歳からわけあって若返りました(和田秀樹)

またお世話になった和田秀樹先生。今回は『50歳からわけあって若返りました』。その年齢に近づき、何とも魅力的な書名。と読んでみると、さまざまなご自身の著書の内容を繰り返し述べている印象な一冊。大半は前頭葉の話で、思考や行動の若々しさも見た目の…

【MB2024-140】避けられる戦争(ケビン・ラッド)

『避けられる戦争』。読むのに時間を要した。米中ともに造詣の深いオーストラリア元首相が鋭い分析力で論じたものだが、原著はバイデン政権に移ったばかりの頃なため、多少時期を逸した感が否めない。本の中心は10個の「同心円」について。著者はそれを習近…

【MB2024-139】沙を噛め、肺魚(鯨井あめ)

『沙を噛め、肺魚』。久々に軽快に読み進めれた小説。世界が沙嵐に襲われて、すべてが沙に埋まりゆく世界。通信は途切れ、交通は乱れ、それでもそれぞれのコミュニティに人々は集まり営みを続けている。大きく前半と後半で構成され、別の物語かと思いきや、…

【MB2024-138】足し算の生(カルミネ・アバーテ)

ふと図書館の新着コーナーに並んでいた一冊。表紙がケルンの大聖堂だったので、ドイツに関係する本かと期待して読んだ『足し算の生』。著者はイタリア人ということで、イタリアからドイツに移民として過ごした家族体験記を短編集として書きまとめた内容。ド…

【MB2024-137】糖質疲労(山田悟)

「食後の眠気は病気の始まり」。電車の広告で見かけた衝撃的なフレーズ。まさしく食後は眠くなる(常に眠い)。そんなフレーズに惹かれて、読んだ『糖質疲労』。糖質の摂りすぎは良くないとのことで注意したいが(おかずを多くご飯を少なく)、反面で日本人…

【MB2024-136】陸軍将校たちの戦後史(角田燎)

偕行社を初めて知った。陸軍士官学校の同期生会をもとにした親睦団体である。そんな親善団体の活動を通して旧陸軍を率いたエリートである将校らが戦後どのような戦争観を持ったのかを分析した『陸軍将校たちの戦後史』。当初は「陸軍の反省」に関する議論が…

【MB2024-135】無双のメンタル(宮崎直子)

『無双のメンタル』。スピリチュアル分野の国際的ベストセラー作家アラン・コーエン氏から認定を受けたライフコーチである著者が、自分の人生のゴールの設定の仕方について解説した1冊。他人の評価に振り回されない自分になるための方法として、 ①自分の心は…

【MB2024-134】半導体戦争(クリス・ミラー)

図書館で本を借りる手続きをしている際にふと眺める他人の予約取り置きの棚。たまに興味深い本を発見したりする。『半導体戦争』もそんな1冊。半導体を知らない方にもわかりやすく約70年の歴史とその重要性を浮き彫りにしている。現在は半導体に対する米中…

【MB2024-133】都市に侵入する獣たち(ピーター・アラゴナ)

最近は街中にクマが出没したというニュースをよく耳にする。クマも人間の食べ物に味をしめていることもあるが、そもそもクマの生息地を脅かしているのが問題であろう。『都市に侵入する獣たち』で著者は問う。「私たちは都市の生態系とそれを共有する生物に…

【MB2024-132】数学する身体(森田真生)

『数学する身体』。以前読んだ松岡正剛の『数学的』で絶賛していた若手数学者の森田真生。そんな彼の著書を読んでみた。数学する身体とはどんな展開になるのか想像ができなかったが、数学の歴史やチューリング、岡潔といった数学的偉人を愛を持って紹介した…

【MB2024-131】アメリカのアジア戦略史(下)(マイケル・グリーン)

ここ数日はこの本に時間を費やした。先般の上巻に続き読んだ『アメリカのアジア戦略史』下巻。冷戦後のアメリカのアジア戦略が中心に描かれており、米中関係の変遷、対テロ戦争、インド太平洋地域での軍事プレゼンス強化、TPPなど経済的関与を通じた影響力拡…

【MB2024-130】世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた(中野信子)

『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』。新刊ではないが、たまたま図書館の返却コーナーの棚にあったのが目に入り、読んでみた。脳科学者の著者が、世界で通用する賢い人たちが実践している脳を活用してパフォーマンスを最大限発揮す…

【MB2024-129】カナリア外来へようこそ(仙川環)

『カナリア外来へようこそ』。無愛想かつ仏頂面な女医とイケメン看護師がいる保泉クリニックには過敏症向けの特別外来がある。この作品では香害に悩む女性、夫源病を疑う主婦、味覚障害の男性、娘のアレルギーに悩む夫婦、シックハウス症候群に向き合う男性…

【MB2024-128】地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている(村瀬秀信)

心地よいゆるさにとてつもなくソウルフルな地方グルメの魅力。手軽なチェーン店は地方に根ざしたものが多々あり、そんな地方チェーン店を紹介している『地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』。岩手県代表ぴょんぴょん舎、山形県代…

【MB2024-127】鶴は戦火の空を舞った(岩井三四二)

苗字に愛着があるからか、贔屓にしている岩井三四二。彼の作品を読むのは「政宗の遺言」以来である。『鶴は戦火の空を舞った』は第一次世界大戦が舞台。主人公英彦は市中の軍人。日本に初めて軍用飛行機がもたらされ、英彦がその操縦を任されるも、世界に目…

【MB2024-126】長い読書(島田潤一郎)

ようやく読むことができた『長い読書』。ひとり出版社を創業した文学を愛する著者が、これまで本と過ごした生活をいくつかの想い出とともに描いた37篇のエッセイ。共感した箇所としては、本を読むということは体力がいること(最近は読み始めるとすぐ眠くな…