2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【MB2024-039】レジリエンスの時代(ジェレミー・リフキン)

米国の経済社会理論家リフキン氏が著した話題な「レジリエンスの時代」。地球を人類に適応させる「進歩の時代」から人類が地球に適応し、自然界と共存する「レジリエンスの時代」への移行を提唱する。災害大国な日本では「脆弱性の克服」と捉えられることが…

【MB2024-038】入門山頭火(町田康)

山頭火。旭川発の美味しい塩ラーメンのことではない。「分け入つても分け入つても青い山」で有名な俳人の種田山頭火のことである。そんな山頭火の生涯を楽しく辿り語ったのが町田康氏による『入門山頭火』。本書の執筆2週間前から山頭火の勉強を始めたとい…

【MB2024-037】本の虫(古田一晴、劉永昇)

書名からして玄人向けの本と察してはいたが、やはり相当な玄人好みなものであった。朝日新聞名古屋本社版に約10年にわたって連載されたコラムを単行本にまとめた一冊。名古屋本社版ということで、著者の古田一晴や劉永昇などの名前はどおりで初耳だったわけ…

【MB2024-036】図書館は生きている(パク・キスク)

現在のところ今年一番の良書である。韓国人の司書が図書館について様々な視点から鋭く論じている一冊。「図書館は本の聖地ではなく、地域と言う共同体の聖地であるべき」や「賢明なものは図書館を建設し、愚かなものは図書館を破壊する」といったことは強く…

【MB2024-035】ナイトハイクのススメ(中野純)

個人的に山登りは好きであるが、夜を目当てに登ったことは一度もない(下山で暗くなったことは多々あるが)。そんな夜のハイキングがお薦めだという。著者の中野純氏は長年にわたり夜の山を歩き、多くの夜山ハイキングを独りで楽しみつつ、数多くのハイカー…

【MB2024-034】文章が劇的にウマくなる「接続詞」(山口拓朗)

最近は読んだ本について感想のようなものを書き残すことにしているが、なかなか上手く書けない。その一因として、上手く文をつなげられないことが挙げられる。そこで、『文章が劇的にウマくなる「接続詞」』を読んでみた。覚えきれないほどの接続詞が紹介さ…

【MB2024-033】内臓脂肪の名医が教える痩せるお酒の飲み方(栗原毅・栗原丈徳)

『内臓脂肪の名医が教える痩せるお酒の飲み方』。お酒を飲んだら痩せられない、週2日は休肝日をつくるなど、世の中で言われている「お酒」と「ダイエット」の常識を覆す名医が教える最強の飲み方。そんな常識を打破したい、まさしく今の自分に必要不可欠な…

【MB2024-032】自由の丘に、小屋をつくる(川内有緒)

『自由の丘に、小屋をつくる』。ノンフィクション作家が山梨県塩山の山麓(おそらく大菩薩の麓)の土地で小屋づくりに励むドキュメンタリー。著者は特にDIYが得意というわけではなく、逆に苦手な分野。「ひとつ何かが作れるようになるたびに、自由になれ…

【MB2024-031】真夜中のコックピット(倉田周平)

標題からして空の物語かと思いきや舞台が違っていた。そんな『真夜中のコックピット』。高速道路の小さなパーキングエリアで大型トレーラーに便乗させてもらったカメラマンの広川太一。そのトレーラーの車内で体験する真夜中のハイウェイドライブ。過去高速…

【MB2024-030】銀しゃり(山本一力)

ある交流サイトで紹介されていて気になり読んでみたのが『銀しゃり』。初めての山本一力作品である。江戸の時代や街での人情もあるが、食小説としても完成度の高い小説。江戸深川が舞台。主人公の新吉は、親方から受け継いだ柿こけら鮨の伝統と味を守り、三…

【MB2024-029】最新運輸業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版](中村恵二)

図解入門業界研究シリーズ。その一つである『最新運輸業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版]』、運輸業界についての解説書である。まずは運輸業界の現在を知る9つの視点 ①2024年問題②貨客混載③運輸業界のDX④トラック縦列走行の後続車無人システム⑤…

【MB2024-028】阪神タイガースぶっちゃけ話「岡田阪神激闘篇」(江本孟紀)

彼の現役時代を知らない。プロ野球ニュースなどでよく見かけた。そんな印象のある江本孟紀氏。10倍楽しく見る方法がすっかりお馴染みのフレーズであるが、最近では好調の古巣阪神タイガースを楽しく論じたのがこの一冊。「ベンチがアホやから」騒動でタイガ…

【MB2024-027】音楽と生命(坂本龍一・福岡伸一)

前回紹介した教授の『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』の中で何度も触れられており、読まなくてはと思い手に取った教授と動的平衡の第一人者・福岡伸一氏との対談集『音楽と生命』。それぞれ「音楽」と「生命」といった異なる自分の分野で共通項を探求し…

【MB2024-026】議論の極意(紀藤正樹)

カルト団体や悪質業者と日々戦い続けている紀藤正樹氏。相手をいいくるめた者勝ち、強くいった者勝ちという言論空間が発生している現状に対する強い疑問と懸念を示したのがこの一冊。議論とは意見を投げかけ合うという形式の対話で、議論を成立させるには、…

【MB2024-025】朝イチの「ひとり時間」が人生を変える(キム・ユジン)

朝イチの「ひとり時間」が人生を変える。韓国生まれながら米国2州の弁護士資格を持つキム・ユジンさんの著書。確かに朝早く起きれさえすれば、実りのある時間を過ごすことができることはわかっていながら実践できない。「5、4、3、2、1起きよう!」で…

【MB2024-024】40歳からの転職成功メソッド (中谷充宏)

巷に溢れる転職サイト。若いうちの転職だけでなく、ミドルクラスの転職も増えているという。そんなミドルクラスに属する自分が転職を考えた場合を想定して、興味本位で手に取った「40歳からの転職成功メソッド」。指南書であるため、感想を書きずらいところ…

【MB2024-023】京都(有賀健)

古都・京都。京都の問題点や発展を妨げている要素を著者は示している。街の風景はくすみ、食も地味すぎだった過去の古都は、現代では「ゆりかご都市」であるとしている。新しい企業は生まれるが、その成長過程でそこから離れて行く都市。大学や民間の研究機…

【MB2024-022】たましひの薄衣(菅原百合絵)

昨年の年末に今年の一冊として紹介されていた菅原百合絵の詩集「たましひの薄衣」。ようやく読むことができた。短歌や俳句のようなリズムで読むのとは異なり、この歌集では、『薄衣』をまとった内に『たましひ』を揺れ伝える、そのような言葉の333もの葉がゆ…

【MB2024-021】弱者の日本史(小和田哲男)

歴史は勝者に塗り替えられ弱者は切り捨てられる。そういった中で弱者の歴史に焦点を当てた「弱者の日本史」。古代から明治にわたってさまざまな弱者が登場する(中には弱者ではないのではと思う者も登場するが)。よく得体の知れない人物も多く、例えば鎌倉…

【MB2024-020】八王子に隕ちた星(森融)

数年前に関東地方を西から東へ火球が飛び、隕石が落下したことは記憶に新しい。そんな隕石がうちの近くのエリアに昔落ちたという。今から約200年前の江戸時代の出来事である。八王子と付近の村々に隕石が落ちたことは地元の八王子でもすっかり忘れされている…