2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧
『建築と利他』。建築が利他のためにどうあるべきかを対談形式で繰り広げられる一冊。参考になった点。・スペースをつくると何かが生まれる:利他という行為は、自分の中に余白がないと起こらない。思いがけないもの、想定外のものが入り込んでくるスペース…
加藤陽子の著書が続いた。日本近代史を専門とする著者が世界の中の日本という視点から、日中・日ロ・日英・日独といった二国間関係を通して、なぜ日本が戦前に戦争に至ったのか、そしてその後の和解・共存の可能性を探る試みである。各章では、相手国の歴史…
『氷河が融けゆく国・アイスランドの物語』は、氷と火山に囲まれた島国アイスランドで暮らす著者が、自身や家族、出会った人々の視点を通し、北欧神話や伝承とともに「人と自然」の関係を綴った随想録。氷河の融解や気候変動が背景にある中で、過去・現在・…
戦後の日本人戦犯裁判において、なぜフランス領インドシナ(インドシナ)やサイゴン裁判、さらに東京裁判に至る過程で、フランスがどのような役割を果たし、またその背後にある植民地主義の構図がどう露わになったか。日本とフランスが「共存」した仏印期か…
先ごろヘミングウェイ研究者である中村亨教授の著書を読みはしたが、恥ずかしながらヘミングウェイの作品を読んだことがなく、まずは入門書をと思い『集中講座ヘミングウェイ』で勉強してみた。紹介している作品は『老人と海』、『破れざる者』、『移動祝祭…
先般、岐阜市立中央図書館が劇的に生まれ変わった「みんなの森ぎふメディアコスモス」の本を読み紹介したが、奇遇にもそれを建築した伊東豊雄の著書を読む機会を得た。『誰のために何のために建築をつくるのか」。①人と人とを結ぶ建築をつくる②人に居心地の…
『Z世代の頭の中』。いわゆる「3年で3割が辞める」「恋愛しない」「飲み会嫌い」など、メディアに流れる若者=Z世代のステレオタイプ像に対し、 「その背景を理解せずに“堪え性がない”と切り捨てるのは誤り」 と強調している。実際には、先行き不透明な社会…
『側近が見た昭和天皇(天皇の言動でたどる昭和史)』。戦前から戦後にかけての昭和天皇の重要局面(開戦、戦争責任、退位、憲法・日米安保など)における言動を、近年公開された侍従長(百武三郎「百武三郎日記」)・宮内庁長官(田島道治「拝謁記」)ら側…
「京都らしさ」の向こうにある、知られざる歴史を探る。京都在住の直木賞作家が日々自転車(馬鹿車)で街中をめぐり、歴史のしっぽを探索する展開する『京都の歩き方』。季節の便りや日常のニュースから思いもよらぬ史話を掘り起こす50のエッセイ。樺山伯爵…
『戦争に抵抗した野球ファン』。第2次世界大戦時下の日本で野球を愛し続けた人々の姿を通して、国家による統制や同調圧力に抗う個人の尊厳を描いたノンフィクション。軍国主義が色濃くなる中、「敵性スポーツ」とされた野球を守ろうとしたファンや選手たちの…
岐阜市立中央図書館。以前は閑散としていた図書館が「みんなの森ぎふメディアコスモス」(メディコス)とともに飛躍的に生まれ変わった。その足跡を記した『賑わいを創出する図書館』。館長でもある著者は図書館を単なる本の貸出機能にとどまらず、人々が集…
川越敏司の『行動経済学の死』。「人間の非合理性のカタログ化」や政策的手段としての「ナッジ」ばかりが重視されている現状に警鐘を鳴らす一冊。行動経済学が非合理な人間を正す技術として利用される一方で、その根底にある人間理解や経済の複雑さを深く問…
以前、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を読んで深く感銘を受けた加藤陽子。今回読んだのは『この国のかたちを見つめ直す』。歴史の事実と記録に正面から向き合い、国家と国民の関係を再考する重要性を訴える。震災や戦争、天皇制、学問の自由などを…
『人間には12の感覚がある』。動物たちの驚異的な感覚能力を手がかりに、人間にも備わる多様な感覚の可能性を探る科学ノンフィクションな一冊である。色覚、聴覚、嗅覚、触覚などに加え、時間感覚や体内感覚なども含めた12もの感覚をその器官が卓越した動物…
時代の天才達に学ぶ『ブレない心の磨き方』。示唆に富んだ歴史上の人物のことばが紹介されている。・「朝が来ない夜はない」と信じて、自分を励ます(吉川英治)・具体的で、スケジュール感のある希望を持つ(アリストテレス)・人間は「踏みとどまるもの」を…
岡村靖幸の本?子供の頃に一風変わったミュージシャンという認識しかなく、そんな岡村靖幸がどんな本を書き記しているのかという関心で読み始めた『幸福への道』。さまざまなジャンルの文化人や芸能人と「幸福」について語り合う対談集。各人が据える幸福に…
いつも勉強になる出口治明の著書。今回は『世界は宗教で読み解ける』。歴史や社会、国際関係を理解するうえで宗教が不可欠な視点であることを説く一冊である。宗教を「人間が生きる意味を問う知恵の集積」と捉え、キリスト教、イスラム教、仏教などの教義や…
更科功の『世界一シンプルな進化論講義』。進化論の誤解を解き、自然淘汰や遺伝子、化石、生物多様性など6つのテーマで進化の本質を平易に解説する入門書である。進化は進歩でも目的でもなく、偶然と環境の産物であると強調。ヒトを特別視せず、生物の多様性…
『若者が去っていく職場』。転職が当たり前の今日この頃。若者がどのような価値観を持って仕事に取り組んでいるのか。若手とのコミュニケーション10箇条①3年で転職するルールを前提に②アンコンシャスバイアス撲滅③ホワイト企業の定義を再確認④上下関係は無い…
ロシアのウクライナ侵攻の次は台湾海峡危機が叫ばれる中で、中台関係を理解することが重要である。松田康博の『中国と台湾』。日本人が認識すべき中台危機として、「台湾有事」が単なる地域紛争ではなく、日本の安全保障に直結する問題であることを強調する…