2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
『老人の知恵』。田原総一朗と養老孟司というこの上ない対談集である。これが初対面というのは驚きで、危惧する日本の未来について辛辣に語り合う。原爆は戦争を早期終結させるために落とされたものではないこと、震災後の日本がどうなるか「方丈記」を読む…
「では、また来週お会いしましょうね。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!」という決まり台詞。そう、「日曜洋画劇場」のエンディング。懐かしい映画批評家の一生を綴った『淀川長治』。「テレビ局にもぐり込んだ映画スパイ」と自らを呼んでいたが、洋画に対す…
「東京人」の編集者だった鈴木伸子の『大人の東京ひとり散歩』。神楽坂、銀座、神保町、新宿など都内の由緒ある街を散歩して名所を巡る楽しいエッセイ。著者曰く、「ひとりで歩くと、ひとりだからこその街の見え方、見つけられるもの、体験できることがあり…
丸山俊一の『ハザマの思考』。「ハザマ」とはゼネコンのハザマのことではない。現代社会における多様な対立概念の「ハザマ=狭間」に焦点を当てて、人間の思考や行動がその間でどのように揺れ動くかを探求している。各章では、「サブカルチャー」と「サブカ…
クリオダイナミクス(歴史動力学)という分野の開拓者であるピーター・ターリンの著書『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』。社会の不安定性をもたらす4つの要因は、大衆の貧困化、エリートの過剰生産、財政の健全さの悪化と国家の正当性への疑問、地政学的要…
『いつも感じのいい人のたった6つの習慣』。茶人である千宗屋の著書である。ネタバレになるが、その6つの習慣とは、①相手の気持ちを慮り②神仏や自然、他者を尊ぶ敬う③自然の恵み、他者に感謝する④心の内よりきれい好きに⑤ご縁を大切にする⑥わが身に置きか…
『脂肪と人類』。なかなかすごいタイトルである。「貴重なカロリー源から、嫌われ者へ」という脂肪の歴史が展開される。動物の骨髄をすすっていた狩猟採集の時期から始まり、豚や牛の脂肪を貴重なエネルギー源かつ調味料として使っていた中世近世、健康を害…
『わたしの人生』。収容所での話が展開されている一冊と聞いていたので、てっきりアウシュヴィッツのようなナチスドイツの収容所の話かと思いきや、日本での収容所の物語と知って、まずは驚いた。第2次世界大戦中の1943年、日本政府は在留イタリア人に対して…
マネー。浜田省吾にそんな歌があった。それはそうと、『マネーの世界史』は貨幣と金融の歴史を通じて経済の本質を解き明かす一冊。本書は古代の貝殻貨幣から現代のデジタル通貨に至るまで、金と信用の関係や金融危機のメカニズムを豊富な事例とともに描く。…
『朝1分間、30の習慣』。朝のたった1分を使った30のヒント集。しかも、できる時だけと手軽さで後押ししてくれるのは嬉しい。例えば、「どんな1日だったら最高?」と朝1分間考える。・どんな気持ちになったらいいか?・どんな成果があったらいいか?・ど…
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」は日本国憲法第一条。この第一条をめぐる闘いを論じている『昭和天皇の敗北』。連合国軍総司令部(GHQ)と日本側の憲法問題調査委員会との攻防で記…
個人的に喫緊なテーマ「空き家改修」。いかにも参考になりそうな『空き家改修の教科書』。古民家×DIYで自分らしい暮らしを実現!なんとも魅力的なフレーズである。空き家改修のポイントは、お金をかけたくなければ時間をかける。時間がなければお金をかける…
占領されるとは、こういうことなのか。そう痛感させられた『アーベド・サラーマの人生のある一日(パレスチナの物語)』。2012年にヨルダン川西岸地区で起きた事故(スクールバスがセミトレーラーに衝突されて横転、炎上し、パレスチナ人の児童6名と教師1…
ナベツネ逝去後、本来はこの『わが人生記』を読みたかったが、渡邉恒雄回顧録を先に読んでしまった。そのため、重複する内容が多かったが、後半の小泉政権(政治家と指導力)や2004年夏の騒動(プロ野球)、ガン手術体験(老夫婦の大病記)など前回の回顧録…
電気が導入されてから浸透するまでには時間がかかった。AIもそうなるのであろうか。イノベーターが新しいシステムソリューションの創造に目を向けて初めて、本当の意味での変容は実現する。システムソリューションによってAIが経済全体に広く普及すれば…
最近は忘れることが多くて困っている。しかし、忘れることは必ずしも悪いことではない。それを実証してくれる『忘却の効用』。神経科学が発展してきた現代では、忘却が具体的にどのようなプロセスで行われているか、その過程が明確にわかってきた。同時に、…
奥深い北海道日高の山々。そんな日高の山々で地図も持たずに山々を流浪する漂泊登山に挑んだ『地図なき山』。山頂というゴールに絶対的価値を置き、そのゴールに向かって効率的かつ合理的に進む近代登山に窮屈さを感じていると著者は言う。頂上を目指すより…
『強い組織になるための健全な価値創造醸成の極意』。「本当は教えたくない」というフレーズに惹かれて読んでしまった。なぜ「やってはいけない」と分かりながら不健全な意思決定をするのか、コンプライアンスの観点から著者が29年間の社会人向け教育研修の…
『夜の底を歩く』。少女の闇を綴った小説で、内容的に感想を書きにくいため、ChatGPTに感想を聞いてみた。『夜の底を歩く』は、孤独や喪失を抱えた人々が静かに交錯する物語。暗闇の中を進むような不安と、それでも前へ進もうとする意志が印象的。作者の繊細…
『会社はあなたを育ててくれない』。衝撃的なタイトルであるが、法規制が厳しくなっている中、確かにOJTやOff-JTが減っているのも事実である(本書にも記載がある)。前回は「ゆるい職場」を読んだが、著者はデータを重視して、その背景や実態を説得力を持っ…
なかなか手を出せない家庭菜園。そんな中、野菜を育てる機会が得られそうなので、まずは菜園の勉強にと手に取った『コスパ最強の菜園アイデア』。植えなきゃ損の野菜34種をそれぞれについてコツを紹介してくれる。「成長が早い」、「初期コストが安い」、「…
冒頭の写真の中の一つに見慣れた大久保駅南口を出て直ぐのY字路の写真があって嬉しい。マニアックなY字路について力説している『Y字路はなぜ生まれるのか?』。さまざまな街の事例やパターンに触れながら楽しくY字路を解説する。路上、地図、表象という3つ…
日本百名山をたった33日で踏破したことには驚いた。そのクライマーの名は藤川健。自分と同い年である。そんな彼の数々のクライマー記録を記したのがこの『SPEED TOURING』である。元々は北海道でスキー縦走に励んでおり、彼がライフワークとしている超長距離…
女性研究者たちの苦労を聞き出した『科学に魅せられて』。ジャーナリストの高橋真理子が1930年代〜80年代生まれの幅広い年齢層である28人の科学者に聞いた貴重なインタビュー集である。「この半世紀でこんなに変わったのだとみんなに知ってほしい」と著者は…
『歴史を複眼で見る』。比較文学史家である平川祐弘の論壇の数々に「複眼で見ることの重要さ」への理解が深まる。例えば、「文化的無国籍者だけでなく、世界に通用する日本人を育てる事は、国防上からも大切。そんな日本と外国に日本の足をおろして活躍でき…