2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【MB2024-066】科学をうたう(松村由利子)

最近少しずつ興味が湧いてきた短歌。短歌を科学という視点で詠ったものを集めた『科学をうたう』。数多くの短歌を丁寧に解説しており、それを読むことでさらに勉強になる。科学と文学とは相容れないものだと思い込んでいる人も少なくない中、科学を題材にし…

【MB2024-065】超ミニマル主義(四角大輔)

キャンプや登山が趣味である四角大輔。共通点な趣味ということで、「超ミニマル主義」からいろいろと学びがありそう。特に気になったのが、 身軽になって行動力を上げる方法①持ち物が軽いだけで行動力は増す②デスク周りを軽くする③部屋の中を軽くする④スマホ…

【MB2024-064】コード・ガールズ(ライザ・マンディ)

ようやく読み終わった『コード・ガールズ』。日独の暗号を解き明かした女性たちのノンフィクションである。太平洋戦争ではアメリカは1万人以上の女性が暗号解読作業に従事し、日本の難暗号を見事に解読していたことが詳細に記されている。山本五十六長官の…

【MB2024-063】特権と不安(ハーゲン・クー)

産業化と民主化に成功した歴史がある隣国・韓国。いまやグローバル企業やエンタメなどで世界の注目を集めているが、諸外国と比べて国民の幸福度や達成感が低い。その背景を丁寧に解説したのがこの『特権と不安』。書名が韓国の実情を十二分に表している。か…

【MB2024-062】迷わない新NISA投資術(大口克人)

年初から改定されたNISA制度。個人的にはゆるくつみたてNISAをやっているが、大きく制度が改定となったため、乗り遅れないために制度の理解が必要である。改定のポイントは、 ①NISA制度の恒久化 ②非課税投資期間の無限化 ③非課税投資枠の拡大 ④売却後に生涯…

【MB2024-061】樹氷(五木寛之)

以前、家族旅行で訪れた金沢で興味本位で立ち寄った金沢文芸館。そこにあった五木寛之コーナー。親鸞や下山の思想などの著書は読んだことがあったが、展示されていた著作の多さには圧倒された。そこで気になったのが『樹氷』。個人的に毎年冬には蔵王へ行っ…

【MB2024-060】憐憫(島本理生)

憐憫。そもそも漢字が読めなかった。個人的に好きな島本理生さんの小説。初めて読んだのが「RED」。恋愛小説を書かせたら秀逸な島本理生さん。あっという間に読み終わった。小説なのでネタバレにならないように内容は本に任せるが、物語の軸になるK木氏との…

【MB2024-059】昭和50年代東京日記(泉麻人)

泉麻人さんは旅のエッセイをセンス良く書いているイメージがあるが、数年前には橋本で「相模線セミナー」なるマニアックな講演会があり、その際にありがたいお話を聴講した。「相模線は地方に行かなくてもボタンを押して乗降できる体験ができますよ」と称賛…

【MB2024-058】証言雪崩遭難(阿部幹雄)

雪崩遭難。那須での高校生の雪崩事故が思い起こされるが、自分も高校では山岳部だったため、他人事ではないと思っていた。そんな雪崩遭難の事例を紹介した『証言雪崩遭難』。本書では7つの雪崩事故の事例を詳細に紹介している(ただし那須の事例はない)。…

【MB2024-057】仮説とデータをつなぐ思考法(田中耕比古)

ビジネスとデータの関係性を紐解きながら、成果につながるデータとの向き合い方を解説した『仮説とデータをつなぐ思考法』。多大なデータに埋もれないために、どう活用していくべきか?その解決策が、仮説とデータをつなぐ思考法になる。重要なのは、・なに…

【MB2024-056】東京都同情塔(九段理江)

シンパシータワートーキョー改め『東京都同情塔』。言わずと知れた九段理江の芥川賞受賞作である。本来は図書館で借りて読むところであるが、時流に乗り遅れまいと、久々に書店で購入して読んだ。表題の塔は、新宿御苑にそびえ立つ美しい巨大刑務所。犯罪者…

【MB2024-055】経済学レシピ(ハジュン・チャン)

イギリスで活躍する韓国出身の経済学者による『経済学レシピ』。経済学?レシピ?と疑問を抱いて読んだが、バナナ、オクラ、麺、鶏肉など代表的な食材に加え、どんぐりやコオロギなどレアなものまで、多彩な食の話題を通じて、今日の経済問題について鋭い考…

【MB2024-054】無敵の犬の夜(小泉綾子)

『無敵の犬の夜』。おそらく新聞の書評で紹介されたことで、図書館で予約して、順番が回って借りれた一冊。昨年度の文藝賞受賞作である。個人的には文藝賞にどこが値するのかよくわからないというのが正直な感想である。主人公の界は北九州の男子中学生。子…

【MB2024-053】大延長(堂場瞬一)

かなり前の小説のはずが、そうとは知らず、なぜか図書館の新着コーナーにあり手に取った文庫版『大延長』。裏表紙に掲載されていた栗山英樹氏の解説文が読む決め手になった。題名の通り、甲子園延長再試合になったストーリー。この本が書かれたのが2007年と…

【MB2024-052】評伝立花隆(高澤秀次)

万能知識人(ゼネラリスト)立花隆。数年前に逝去された知の巨人の評伝である。ニュース番組でよく筑紫哲也氏と対談し、鋭い視点で世の中に斬り込む論客なイメージはあったが、田中角栄研究をはじめとした著書も読んだことはなく、正直この知の巨人のことは…

【MB2024-051】日本の建築(隈研吾)

隈研吾。いまさら説明は不要であろう。「和の大家」(本人は強く否定)が論考する日本建築の伝統。注目する建築家として挙げたのが、藤井厚二、堀口捨己、吉田五十八、村野藤吾、レーモンド、ぺリアンの6名。特に「小さな建築」を標榜し、「増改築の達人」…

【MB2024-050】宗教の起源(ロビン・ダンバー)

ダンバー数という概念をご存知だろうか。そのダンバー数を提唱したロビン・ダンバー氏の著書『宗教の起源―私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』を読んだ。ちなみに、ダンバー数の1つの数値として、「ヒトの自然な共同体の大きさは150人」というものがあ…

【MB2024-049】眠れないあなたに(松浦弥太郎)

睡眠は重要である。しかし、時と場合によっては眠れないこともある。『眠れないあなたに』はそんな眠れない場合に少しでも役立つのでは、と思い読んでみた。メモした項目は7つあったが、一例として、 【嬉しかったことを3つ思い出す】 感謝の気持ちで一日を…

【MB2024-048】私たちの世代は(瀬尾まいこ)

本屋大賞受賞、映画化と大ヒットした『そして、バトンは渡された』から5年。瀬尾まいこさんの『私たちの世代は』をようやく読んだ。一言、心が温まった。コロナ禍などで苦しんだ日々に少しでも明るいものを差し出せる物語である。時代や家庭環境が違っていて…

【MB2024-047】1日1万歩を続けなさい(大谷義夫)

医者が教える医学的に正しいウォーキング。『1日1万歩を続けなさい』。個人的には1日1万5000歩を目標に歩き続けているが、その効果を確認するべく読んだ一冊。・「なんとなく不調」は自律神経と関係がある(歩けば「交換神経」と「副交感神経」が切り替…

【MB2024-046】野球の子(大藤崇)

図書館の新着コーナーにあって手に取った『野球の子』。サクセスストーリー過ぎ感は否めず、物語は本に任せるが、チームや選手の名前は微妙に変えており、入団したのはアレの球団で、往年の名投手の夏田(江夏?)、小竹(小山?)、稲山(村山?)、監督の…

【MB2024-045】十津川警部と七枚の切符(西村京太郎他)

『十津川警部と七枚の切符』。十津川警部と言えば、西村京太郎の小説には欠かせない警視庁刑事部捜査一課の警部である。渡瀬恒彦の顔が浮かぶが、最近では内藤剛志が演じたのが記憶に新しいか。あえて書名を西村京太郎とせずに十津川警部を使ったあたりが妙…

【MB2024-044】鉄道無常(酒井順子)

2大鉄道紀行家とされる内田百聞と宮脇俊三。この両巨頭を同時に語るのは凄いことである。「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行ってこようと思う」という内田百閒の代表作『阿房列車』や宮脇俊三のヒット作『時刻表2万キロ』を読み解きながら…

【MB2024-043】ドキュメント異次元緩和(西野智彦)

『ドキュメント異次元緩和』。黒田日銀の果たした役割がよくわかる一冊。2013年に日銀総裁に就任した黒田東彦氏。2%のインフレ目標を掲げ、金融緩和を一貫して続けた。過去の常識を覆す大量の通貨供給で物価を押し上げ、日本経済を再生させようとした「異次…

【MB2024-042】吉田類の愛する低山30(吉田類)

街の赤提灯で美味しそうにお酒を嗜む吉田類。酒を呑むだけでなく、山も登る吉田類。そんな吉田類が愛する低山を紹介したのがこの一冊。番組「にっぽん百低山」のガイド本である。自分はこの中で、泉ヶ岳(大学時代に登った)、金時山(乙女峠から何度か登っ…

【MB2024-041】勝間式金持ちになる読書法(勝間和代)

勝間和代さんの著書は時々読むが、読書の参考になればと読んだのが『勝間式金持ちになる読書法』。これさえ読めば金持ちになれるという訳でもないが、読書の効能を数多く取り上げている。例えば、ありとあらゆる読書について必須となるのが、「本で知識を読…

【MB2024-040】八ヶ岳南麓から(上野千鶴子)

あの上野千鶴子さんがヤマケイ(山と渓谷社)から出版とは驚いて、読んだ『八ヶ岳南麓から』。著者が30年前に気に入って彼の地に土地を購入し、別荘を建てたお話。自然と一体となって、おひとり様生活をおくり、そこでの有意義な日々を綴ったものが、この一…