2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【MB2024-205】国家の命運は金融にあり(下)(板谷敏彦)

『国家の命運は金融にあり〜高橋是清の生涯』。やっと下巻も読破した。金融恐慌から是清が凶刃に倒れる2.26事件までを描いた下巻。日銀総裁、大蔵大臣、総理大臣を務めた後、80歳で5回目の大蔵大臣に就任する是清。世の流れに抗って金融のみならず政治の世界…

【MB2024-204】シンプルで脳科学的に正しい読書法(茂木健一郎)

読書の効能を教えられるとつい嬉しくなってしまう。そんな『シンプルで脳科学的に正しい読書法』。今回の学びはDLPFCについて。脳の前頭葉の前側にDLPFC(背外側前頭前野)という集中力を発揮するときに使われる回路の部位があり、いわば脳の司令塔。読書に…

【MB2024-203】承認をひらく(暉峻淑子)

難しそうと読み始めたところ、想定以上に「承認」についてさまざまな教訓を得ることができた暉峻淑子の『承認をひらく』。承認の本質は相互承認であることがベースとなっているが、ドイツ人は必ず助けてくれる、ボランティアに公共の手厚いサポートなど、ド…

【MB2024-202】Science Fictions(スチュアート・リッチー)

『Science Fictions』では科学の何を否定しているのか。それは「再現性」であると著者は説く。再現性は科学には重要であるが、その再現性の実現に疑いのある事例がいかに多いことか。なぜ、再現性ができないほど科学が歪んでしまっているのか。それにはイン…

【MB2024-201】星野と落合のドラフト戦略(中田宗男)

今年のドラフト会議は中日がいい選手を獲得した。そんなドラフト会議の頃にちょうど読んだ『星野と落合のドラフト戦略』。著者の中田宗男は自分が幼少で中日ファンになりたての頃はまだ現役投手だった記憶がある(あまり一軍で投げていた印象はなかったが)…

【MB2024-200】バタン島漂流記(西條奈加)

今年もようやく200冊に到達した。その本が『バタン島漂流記』。何がきっかけでこの本を手にしたのかは思い出せないが、この実話をベースにした漂流記を楽しく読んだ。江戸から尾張に戻る五百石の弁才船「颯天丸」は、嵐により太平洋を漂流し、平水夫の和久郎…

【MB2024-199】体内時計の科学(ラッセル・フォスター)

睡眠は重要である。これは自明である。十分に寝ているつもりでも日中眠くなる。そんな現象を解説してくれる『体内時計の科学』。米航空宇宙局(NASA)の有人火星飛行計画メンバーも務めているという時間生物学が専門の著者。眠りや日常生活に対する多くの知…

【MB2024-198】われは熊楠(岩井圭也)

岩井圭也の『われは熊楠』。馴染みのある苗字の作家ということで、「完全なる白銀」に続き読んでみた。熊楠とは南方熊楠。何となく歴史上の人物という印象はあったが、熊楠の詳細は知らなかった。中学時代学校を無断欠席してまでも自然を観察し、収集し続け…

【MB2024-197】ブレイクスルー(カタリン・カリコ)

今年のノーベル平和賞は被団協が受賞した。昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞したカタリン・カリコ博士。そんなノーベル賞科学者の自伝『ブレイクスルー』。ハンガリーから米国にやってきた彼女は不安定な身分を強いられ、昇進を阻まれ、外部研究費の獲得が…

【MB2024-196】誰も農業を知らない2(有坪民雄)

続編の本であったが、前編の本を読まずに続編を読んでしまった。そんな『誰も農業を知らない2』。SDGsを論点にしているので、続編とはいえ、これはこれでしっかり読めた。稲作ではコストを厳しく管理する大規模農家でも交付金がないと赤字になる。交付金が…

【MB2024-195】オホーツク核要塞(小泉悠)

毎朝聞いているラジオ番組で時々コメンテーターとして登場する小泉悠。そんなロシアの軍事・安全保障の専門家である彼の著書『オホーツク核要塞』。本著ではカムチャッカ半島のルイバチーからオホーツク海がロシア太平洋艦隊の巣であることを明らかにしてい…

【MB2024-194】はじまりの谷(丸橋賢)

『はじまりの谷』。戦後間のない地方での生活を描いた連作短編集。山に生きる老人と、その老人を慕って生きる術を学びながら成長する少年の物語。舞台は上州の山村であろうか。どれも秀逸な作品で、一例で「白い谷」は、当時木材搬出の主流だった木馬の作業…

【MB2024-193】戦場のカント(石川求)

撫順で日本人戦犯を処刑せず厚遇した。そんな事実を初めて知った『戦場のカント』。中華人民共和国が1950年、日本人戦犯約千人を収容し、6年間、更生教育を施した「撫順戦犯管理所」。周恩来の指導で悪逆非道の日本軍将兵を人道的に厚遇し赦す政策を徹底し…

【MB2024-192】独裁が生まれた日(大熊雄一郎)

数年前、最前列に座る胡錦濤前総書記が共産党大会で強制退席された姿には衝撃を受けた。異例の3期目に入った習近平体制下で新たに独裁が生まれる過程をリアルに描いた『独裁が生まれた日』。新型コロナウイルス感染症対策の厳格な実情や習の肖像画に墨をかけ…

【MB2024-191】心理学を遊撃する(山田祐樹)

著者も認めているマニアックな『心理学を遊撃する』。遊撃するとあるので、心理学をわかりやすく解説してくれるのと思いきや、心理学の再現性というニッチな学問をユーモラスに解説しており、裏切られた。学術の世界の論文さえも、何も考えずに信じられるも…

【MB2024-190】道徳教室(高橋秀実)

『道徳教室』。「無意識に正しいと信じていることを問い直してみたい」という、子どもだけでなく大人にも密接な問いに、著者は想いを込める。カントやデュルケームといった著名な思想家の知恵を借りながら、社会にはびこるハラスメントや人工知能(AI)の道…

【MB2024-189】脳科学で解く心の病(エリック・R・カンデル)

脳科学の第一人者であるエリック・R・カンデル著の『脳科学で解く心の病』。自閉スペクトラム症からうつ病、双極性障害、統合失調症、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、PTSD、依存症などと幅広い。こういった精神疾患を通して、人間の社会性や感…

【MB2024-188】北里柴三郎と感染症の時代(新村拓)

新1000円札に採用された北里柴三郎。そんな偉人の功績を記した『北里柴三郎と感染症の時代』。国内外で感染症の予防と治療に尽力し、近代日本医学の父と呼ばれる北里柴三郎。彼が日本でハンセン病などの伝染病とどう向き合ったかを著者が詳細に解説する…

【MB2024-187】AI覇権 4つの戦場(ポール・シャーレ)

人工知能(AI)が国家間競争に与える影響を包括的に叙述した『AI覇権 4つの戦場』。データ、計算(コンピュート)、人材、機構などのAIの社会実装を可能にする構成要素の国際競争の現状を克明に述べている。AIそのものにフォーカスし、その進化により戦争に…