東京を路線図として把握する視点や、タワマンを「垂直に伸びた郊外」「各階が各駅でエレベータが鉄道」と捉える見立てが印象的で、マンション広告の詩的な言葉から時代背景や都市像を読み解く発想が面白い。本書は『マンションポエム』を揶揄するだけでなく、都市論・建築論として深みがあり、読者の出身地や収入といった属性によって受け止め方が変わる点も興味深い。どこまでが東京か?という議論や、千葉・埼玉・神奈川(横浜)をめぐる地域意識もユーモラスに描かれ、東京圏を多角的な視点で楽しめる内容である。

東京を路線図として把握する視点や、タワマンを「垂直に伸びた郊外」「各階が各駅でエレベータが鉄道」と捉える見立てが印象的で、マンション広告の詩的な言葉から時代背景や都市像を読み解く発想が面白い。本書は『マンションポエム』を揶揄するだけでなく、都市論・建築論として深みがあり、読者の出身地や収入といった属性によって受け止め方が変わる点も興味深い。どこまでが東京か?という議論や、千葉・埼玉・神奈川(横浜)をめぐる地域意識もユーモラスに描かれ、東京圏を多角的な視点で楽しめる内容である。

田部井淳子の『人生、山あり“時々”谷あり』。「山登りには、計画を立てる楽しみ、実際に登る楽しみ、下山後に検証するという3つの楽しみがあり、しかも道具さえ揃えれば安い交通費だけで一日中満喫できるため、学生にとって魅力的であった。登山中には地元の人々との温かな交流や人の親切に触れる喜びがあった。登山を通して生活に張りが生まれ、学業や読書への意欲が高まり、自信を得ることができた。山は、東京で劣等感を抱いていた自分を癒し、成長させてくれた存在であった」と訴える。やはり山は最高である。

シェイクスピア研究者が男子高校生に行った集中講義の記録である『学校では教えてくれないシェイクスピア』。著者と学生の対話形式の軽やかさが魅力の一冊。名作を「拝む」のでなく、違和感や疑問を起点に批評的に読む楽しさを伝える。英詩のリズムや演劇史など本格的知識も平易に解説しつつ、『ロミオとジュリエット』を自由に演出する課題など実践も刺激的だ。ジェンダーや人種問題にも向き合い、本の後半では翻案映画を通して批評の意義を考える。名作とは、多角的に読み直しても摩耗しない作品だと教えてくれる。
