中東情勢の悪化による原油供給への不安をきっかけに、資源に乏しい日本のエネルギー問題を改めて考えさせられた。オイルショック以降も化石燃料に依存してきた日本だが、脱炭素への転換が進む今、再生可能エネルギーから水素を生み出すことで、エネルギーの新たな選択肢が生まれるという。本書は、エネルギー科学と地政学の両面から、その可能性を分かりやすく解説している。「地下資源を握ること」が力だった時代から、「技術を握ること」が力となる時代へ。この転換は、日本にとって大きな挑戦であり、生きる道だ。

中東情勢の悪化による原油供給への不安をきっかけに、資源に乏しい日本のエネルギー問題を改めて考えさせられた。オイルショック以降も化石燃料に依存してきた日本だが、脱炭素への転換が進む今、再生可能エネルギーから水素を生み出すことで、エネルギーの新たな選択肢が生まれるという。本書は、エネルギー科学と地政学の両面から、その可能性を分かりやすく解説している。「地下資源を握ること」が力だった時代から、「技術を握ること」が力となる時代へ。この転換は、日本にとって大きな挑戦であり、生きる道だ。

『最高の体調』。この本で紹介される健康やメンタル等を整える方法は、どれも特別なものではなく、日常に取り入れやすいのが興味深い。納豆やヨーグルトなどの発酵食品、身近な観葉植物、10~15分の昼寝など、ちょっとした習慣が心身に影響するという。また、ストレスを感じたときに「楽しくなってきた」と言葉を変える「リアプレイザル」という考え方も面白い。人は生まれつきネガティブに考えがちだからこそ、「心配事の97%は起こらない」という言葉を胸に、物事を前向きに捉えていきたいと思った読後感だ。

「軍都」と言われて思い出すのは広島だろうか。古地図を片手に街を歩き、残された痕跡や住民の記憶から、かつての「軍都」の姿を浮かび上がらせる歴史謎解きが面白い。辻堂を起点に、藤沢から平塚、厚木、相模原へ広がった軍事施設と都市化の関係を、「虫の目」と「鳥の目」で描いている。軍が地域経済を潤した一方、その記憶がなぜ「謎」となったのかも考えさせられた。軍事を遠いものとせずに、一方で安全保障を考えるための一冊である。縁のある土浦の軍都としての発展も興味深い(ただし最近は衰退が甚だしい)。

図書館で貸し出し手続きをしている際にカウンター奥の予約棚に並んでいる本を眺めるのが好きだ。そんな中で見つけた『東大教授の超未来予測』。本書はAI、脳科学、半導体、量子コンピュータ、地球温暖化など、東大の第一線の研究者たちが専門分野を越えて未来を自由に語り合うクロストーク集。異なる知が交わることで生まれる新たな視点が実に刺激的で、難しそうな最先端の話も会話形式で読みやすい。AIや環境問題への不安も、科学の可能性を知ることで好奇心へと変わり、未来を前向きに考えるきっかけになった。

『ニッポンの移民』。近年、移民問題が日本でも大きな争点となり、外国人への視線も厳しくなっている。そんな中、本書は感情やイメージではなく、データと制度、歴史から日本の移民政策を捉え直す一冊だ。欧米とは植民地支配など歴史的背景が異なり、日本は独自の形で労働移民を受け入れ、実はすでに「移民大国」になっているという指摘には驚かされた。排外的な風潮にも、欧米の制度にも安易に流されず、日本の実情に合った政策を考える必要がある。賛否を論じる前に、まず事実を知ることの大切さを痛感させられた。
ワールドカップの前に読みたかった『がむしゃら』に走る前田大然の自叙伝。その姿勢の背景には、「自分だけのためなら、きっと走れない」という強い利他の思いがある。本書では、挫折や苦しい時期も含めた歩みが率直に描かれ、高校時代の挫折から世界の舞台へ進む過程に引き込まれた。日本時代の「とにかく走る」から、海外経験を経て「目的を持って、賢く走る」へ。努力の量だけでなく質を高めた成長に、人間の可能性と集団スポーツの深さを感じた。われらがモンテディオ山形にも「がむしゃらに走る」選手が欲しい。

前田利家と利長父子を主人公に、手取川の戦いから本能寺の変、賤ケ岳へと激動する戦国の世を描く歴史小説。豪傑肌の利家と、温厚で秀才肌の利長は、性格や考え方の違いから対立しながらも互いを認め、乱世を生き抜いていく。利長を信長の近習として描く本能寺の変は新鮮で、イエズス会の影響力を絡めた展開も興味深い。信長亡き後、秀吉と勝家の間で苦渋の選択を迫られる利家の姿にも引き込まれた。安部龍太郎の歴史小説らしい重厚さを感じる一冊でまずは第一巻。加賀百万石からは程遠い能登を治める前田家であった。
