【MB2024-086】静かな働き方(シモーヌ・ストルゾフ)

 このGWはいろいろな本を読もう。そこで最初に読んだのが『静かな働き方』。数ある候補からこの本を手にしたというのは、心のどこかに静かな働き方を求めているのか。そんなモヤモヤを抱えながら、山形新幹線「つばさ」の車中で読破した。静かな働き方を実現するハウツー本ではない。
「あなたは仕事以外でどんなアイデンティティを持っていますか?」
「仕事とプライベートのバランスを取るために、どんなことを心がけていますか?」
 そんな問いに対するヒントをくれる一冊で、ヒントを手掛かりに答えを考えてみたい。

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【MB2024-085】Qアノンの正体(ウィル・ソマー)

 にわかに盛り上がりつつあるアメリカ大統領選挙。前回の幕引きではトランプ支援者による議会襲撃があったが、トランプ陣営の裏にはQアノンが関係しているのであろうか。そんな背景がわかる『Qアノンの正体』。Qアノンと呼ばれる陰謀論が宗教的狂信の強く貧富差の大きい米国で拡大していく姿は恐ろしい。インターネットが社会に不可欠なものとなった現代において、金や名誉や権力を手に入れたいと願う望みをインターネットなどの媒体を通じて巧妙に突き、民主主義の前提条件を破壊して暴力騒乱を招こうとしている。

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【MB2024-084】勝間式超ロジカル選択術(勝間和代)

 今回も勝間和代さんの著書。『勝間式超ロジカル選択術』を読んだ。人生最大の無駄は「後悔」。この本は勝間式のロジカルな解説によって後悔しない自分になれる思考を得て、それに沿った選択ができるようになる一冊。より良い決定をするには、4つ以上の選択肢から選ぶことが望ましい。2つか3つしかない選択肢から選ぼうとすると、どうしても妥協しがち。かといって選択肢が10も20もあると選ぶのが大変。4つ以上の選択肢を生み出すためには、マンネリから脱却し、新しいことに踏み出した広い視野が必要である。

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【MB2024-083】「こころ」がわかる哲学(岡本裕一朗)

 こころのマジカル・ミステリ・ツアーへようこそ!「こころ」と「哲学」という難解な切り口で展開する『「こころ」がわかる哲学』。哲学者・岡本裕一朗氏が「こころ」の不思議、不思議な「こころ」、人間のモヤモヤなどを偉大な哲人たちを引き合いに出し考える。プラトンからアリストテレスデカルトなどの哲学者の「知」を紹介しつつ、観相学、骨相学、死者の霊と交信できる超能力者、最新の脳神経科学から推し心理など、多面的に「こころ」を解き明かしていく。「愛と憎しみ」は人間だけのものに留まらないだろう。

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【MB2024-082】マッカーサー(リチャード・B・フランク)

 ダグラス・マッカーサー。過去に教科書で見た厚木基地に降り立つ姿や昭和天皇と並んで撮られた写真は記憶に鮮明である。マッカーサーは偉大な英雄なのか、傲慢なナルシストなのかか。相反するイメージがつきまとう彼に対する端正な評伝がこの『マッカーサー』。内容が濃く読み終えるのに苦労したが、彼のさまざまな戦歴や戦果が克明に記されている。太平洋戦争で戦況が変わったのは日本の師団の暗号関連の書類一式が入った鉄製の櫃を発見したことが大きいというのは、先般読んだ「コードガールズ」と重なり興味深い。

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【MB2024-081】世界から青空がなくなる日(エリザベス・コルバート)

 人間が自然を人工的にコントロールするテクノロジーに着目し、その影響について考える『世界から青空がなくなる日』。人類は今までも自然をコントロールしようと地球環境に介入し、その結果、環境が破壊され、気候変動や生物多様性の危機を招いてきた。人間が自然を人工的にコントロールする技術は自然を救うことができるのか。一例で紹介している「ソーラー・ジオエンジニアリング」。成層圏にダイヤモンドをまいて太陽光を反射し地球を冷やす。これで、「世界から青空がなくなる日」を迎えることになるのだろうか。

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【MB2024-080】恐るべき緑(ベンハミン・ラバトゥッツ)

『恐るべき緑』。自然破壊の話かと思いきや、数名の科学者の苦悩を記した一冊。アインシュタイン博士は有名であるが、(自分だけかもしれないが)意外と知らない科学者が数多く登場する。「プルシアン・ブルー」では第一次世界大戦塹壕戦で用いられた毒ガス兵器の開発者フリッツ・ハーバーが、「シュヴァルツシルト特異点」では天文学者シュヴァルツシルトが、「核心中の核心」では不世出の数学者グロタンディークの苦悩に満ちた人生が描かれる。宇宙の背後にある論理や数式が天才らの前に随所におのずと現れる。

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