【MB2025-231】サッチャー(池本大輔)

 高市首相誕生でにわかに注目を浴びたサッチャー。ちょうど今年がサッチャー生誕100年と日本初の女性首相誕生の時代背景のもと刊行された本格評伝で、彼女の実像を多角的に描く。英国初の女性首相でありながらフェミニズムには否定的で、自己責任論を徹底し女性登用も進めなかった点を指摘する。新自由主義を非妥協的に推進した「鉄の女」の政策は失業や社会分断を招き、成功神話には慎重な検討が必要だとする。脱産業化や格差拡大への批判的視点も示し、最新研究と史料で毀誉褒貶の人物像に迫る労作な一冊である。

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