【MB2026-004】昭和期の陸軍(筒井清忠)

 なぜかここのところ戦前の本を読むことが多かったが、それもそのはず、昨年は終戦80年・昭和100年で回顧が盛んであった上に、通俗的解釈の著書が多かった。昭和史研究の第一人者・筒井清忠は、昭和期陸軍に関する論考を集成し、甘粕大尉事件(大杉栄らを殺害)の新論を加えた。本書は軍の暴走像に距離を置きつつ、判決が甘かった理由を当時の世論圧力や社会状況から説明する。陸軍を政治・社会・文化の文脈に位置づけ、人間的で相対化された姿を描く、初学者にも指標となる到達点的研究で展開される一冊である。

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