【MB2026-015】ぼくのスパイス宇宙(矢萩多聞)

 宇宙に関する本かと読み始めたらインドの香りが満載。そんな『ぼくのスパイス宇宙』。著者がスパイスとの出会いから日常の料理、旅や記憶へと連想を広げていくエッセイ集である。香りや辛味を科学や文化の視点で語りつつ、失敗談や工夫を交え、台所を小さな宇宙に見立てる。専門知識に寄りかからず、手を動かす楽しさを伝える構成だ。章末に紹介されているレシピの数々。そうしてレシピ以上に「試してみたい」気持ちが残ってくる。難しそうなスパイスが身近に感じられ、食べることが思考と遊びに変わる一冊であった。

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【MB2026-014】苦痛の心理学(ポール・ブルーム)

 人はなぜホラー映画や激辛料理、過酷な運動など、自ら苦しみを求めるのか。本書はその疑問に対し、「意味ある痛み」という観点から科学的に考察する。苦痛は単なる不快ではなく、達成感や充足感、人生の意味と深く結びついていると説き、心理学や進化論を通じてその仕組みを解き明かす。著者ポール・ブルームは、「痛み=悪、快楽=善」という二元論を超え、幸福を快適さではなく、目的や努力を伴うものとして再定義する。望まれない苦痛を否定しつつも、人生を豊かにする「適度な苦しみ」の重要性を示す一冊である。

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【MB2026-013】心に折れない刀を持て(森岡毅)

 USJ再建を成し遂げた著者が、頓挫した沖縄テーマパーク構想を「ジャングリア沖縄」として実現するまでを描く。資金調達や交渉、挫折と成長の舞台裏を、覚悟と熱量あふれる言葉で綴る。単なる開業記ではなく、ビジネスを通じて社会に何を届けるかという問いが軸だ。日本では高リスクと見られがちなテーマパークだが、世界では成長産業として有望であるという視点も提示。挑戦とは成功か失敗かではなく、悔いを残さない生き方だと示し、旅行者から経営者、マーケターまで示唆を与える。

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【MB2026-012】苦痛の心理学(ポール・ブルーム)

 人はなぜホラー映画や激辛料理、過酷な運動など、自ら苦しみを求めるのか。本書はその疑問に対し、「意味ある痛み」という観点から科学的に考察する。苦痛は単なる不快ではなく、達成感や充足感、人生の意味と深く結びついていると説き、心理学や進化論を通じてその仕組みを解き明かす。著者のポール・ブルームは「痛み=悪、快楽=善」という二元論を超え、幸福を快適さではなく、目的や努力を伴うものとして再定義する。望まれない苦痛を否定しつつも、人生を豊かにする「適度な苦しみ」の重要性を示す一冊である。

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【MB2026-011】勝負師 孫正義の冒険(下) (ライオネル・バーバー)

 上巻に続いて読んだ『勝負師 孫正義の冒険』。下巻では、ソフトバンクのモバイル事業の発展からビジョン・ファンドを軸とする巨額投資戦略への転換を描く。孫正義氏の大胆かつ即断的な意思決定や交渉術が、事業のダイナミズムとして浮かび上がる。携帯事業から投資事業への転機や成長の示唆に富み、テクノロジーの未来を見据える「破壊者」としての孫氏の人物像とビジネス哲学が強調されている。大規模テック投資の裏側を知りたい読者に薦められる一冊であるが、正直なところ、上巻の方が親近感が湧き、楽しく読めた。

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【MB2026-010】天皇機関説タイフーン(平山周吉)

 今回もまた戦前の話である。『天皇機関説タイフーン』は、1935年の天皇機関説事件を現在の問題と安易に結びつけることなく、当時の状況を資料に基づき丁寧に描く。中心となるのは美濃部達吉宮沢俊義という対照的な憲法学者の生き方であり、弾圧に抗した者と柔軟に身を処した者の姿が浮かび上がる。多数の人物が交錯する群像劇として、読者に多様な教訓を委ねる禁欲的かつ貪欲な一冊である。当時の政党(政友会)を「政界の出羽ケ嶽」と酷評されている様では、上山の郷土力士・出羽ケ嶽が残念に紹介されている。

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【MB2026-009】フラット登山(佐々木俊尚)

 毎朝聴いているラジオ番組に時々ゲストコメンテーターで登場する佐々木俊尚。そんなコメンテーターの話題の著書で、以前から読みたかった『フラット登山』。平坦で広大な大地を歩くように、頂上や難易度に執着せず、歩く喜びそのものを味わう登山「フラット登山」を提案する。百名山や高度、技術を誇る登山マウンティングから離れ、誰もが平等に山を楽しむ姿勢を大切にする。自分の力量を踏まえつつ、休日には「ふらっと」気軽に山へ出かける、自由で開かれた登山の楽しみ方で、こういう登り方も非常に魅力的である。

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