【MB2026-008】勝負師 孫正義の冒険(上) (ライオネル・バーバー)

 本書は記者による孫正義の伝記で、上巻はアリババ提携までを描く。初の米国人著者による作品で、忖度ない第三者視点と、日本人とは異なる着眼点が新鮮。孫の行動原理を、衝動的集中と混乱の後始末を他者に委ねる姿勢として鋭く描写し、破壊的イノベーションの倫理的曖昧さにも踏み込む。一方で、若くして留学・起業に挑み、藤田田らに直談判する大胆不敵さや、生来の勝負師としての魅力も浮かび上がる。無制限のリスク許容には偶然性も感じつつ、アウトサイダーが既存勢力に挑む痛快さが際立つ、刺激的な伝記である。

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