【MB2024-030】銀しゃり(山本一力)

 ある交流サイトで紹介されていて気になり読んでみたのが『銀しゃり』。初めての山本一力作品である。江戸の時代や街での人情もあるが、食小説としても完成度の高い小説。江戸深川が舞台。主人公の新吉は、親方から受け継いだ柿こけら鮨の伝統と味を守り、三ツ木鮨を営む。その新吉を応援する旗本勘定方の小西秋之助が自らの職務と信念の間で揺れ動く様子が現代人の我々にも重なり、大いに考えさせられる。新吉が親方から受け継いだ「米は庄内米に限る」。江戸の頃から庄内米の評判が高かったのは喜ばしい伝統である。

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