【MB2024-022】たましひの薄衣(菅原百合絵)

 昨年の年末に今年の一冊として紹介されていた菅原百合絵の詩集「たましひの薄衣」。ようやく読むことができた。短歌や俳句のようなリズムで読むのとは異なり、この歌集では、『薄衣』をまとった内に『たましひ』を揺れ伝える、そのような言葉の333もの葉がゆれているのを感じられる。これが新鮮な現代詩の姿なのであろう。いくつか紹介したい。

きみの知らぬきみに触れえず午睡する幽けき息を聴きゐたるのみ

たましひのまとふ薄衣ほの白し天を舞ふときはつかたなびく

一生は長き風葬 夕光を曳きてあかるき樹下帰りきぬ

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