【MB2024-080】恐るべき緑(ベンハミン・ラバトゥッツ)

『恐るべき緑』。自然破壊の話かと思いきや、数名の科学者の苦悩を記した一冊。アインシュタイン博士は有名であるが、(自分だけかもしれないが)意外と知らない科学者が数多く登場する。「プルシアン・ブルー」では第一次世界大戦塹壕戦で用いられた毒ガス兵器の開発者フリッツ・ハーバーが、「シュヴァルツシルト特異点」では天文学者シュヴァルツシルトが、「核心中の核心」では不世出の数学者グロタンディークの苦悩に満ちた人生が描かれる。宇宙の背後にある論理や数式が天才らの前に随所におのずと現れる。

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