【MB2024-078】夜明けを待つ(佐々涼子)

 悪性の脳腫瘍で闘病中である著者の佐々涼子さん。『夜明けを待つ』は前半はエッセイ、後半はルポルタージュで構成された一冊。前半のエッセイも軽快に読めたが、後半のルポルタージュでは、社会が抱える不条理さの犠牲となっている人たちに寄り添って取材をおこなった「ダブルリミテッド」がリアルで深く的確に書かれている。特に日本に住む外国人たちの人生。特に外国人たちの力が今後の日本に必要なのにも関わらず、不足している日本語教育。母国語も日本語も習得できない「ダブルリミテッド」は深刻な問題である。

f:id:montedio2024gotoj1:20240415071111j:image